ロシア政治と宗教
1投稿者:ヽ(´ー`)ノ  投稿日:2022/05/07(土)17:21:01
下斗米伸夫『ロシア政治と宗教』 - 「東洋学術研究」第41巻第1号
2投稿者:ヽ(´ー`)ノ  投稿日:2022/05/07(土)17:23:43
ご承知のようにロシア革命を担った人たちというのは、宗教に対して否定的な、あるいは「理性主義」的な考え方をもっていた。
したがってロシア革命の一つの旗印は、国家と宗教との分離であった。
とりわけ1920年代末から30年代になり、遅れたロシアを工業化した社会主義大国ソ連に変えたスターリンは、農民に対する抑圧と攻撃を行う過程の中で、農村共同体の中心であった教会をいわば解体する、その精神的な中心である僧侶たちを処断する。

ところが1941年6月22日、独ソ戦の開始とともにソ連は戦争となり、モスクワが陥落する寸前まで追い込まれたとき、スターリンがむしろ救いを求めたのは、実は宗教であったということはお聞き及びのことと思います。
宗教と民族が復活し、ナポレオンと闘ったクトゥーゾフ将軍とか大祖国戦争という名前でもって民族的なるものがリバイバルする、その中心に置かれたものがロシア正教でした。
正式には1943年だったのですが、スターリンとセルギイ総主教が和解し、宗教のリバイバルを象徴するような立派な文書が出されました。これは特に当時の国際状況でも重要だったわけです。
というのもナチスと闘っているセルビアやブルガリアの正教徒に対し、モスクワは第三のローマであるというシグナルが鳴った。
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