ロシア政治と宗教
1投稿者:ヽ(´ー`)ノ  投稿日:2022/05/07(土)17:21:01
下斗米伸夫『ロシア政治と宗教』 - 「東洋学術研究」第41巻第1号
3投稿者:ヽ(´ー`)ノ  投稿日:2022/05/07(土)17:25:23
私が初めてモスクワに行ったのは75年ですが、その時例えば復活祭になると深夜放送で突然おもしろい西側の映画をやるのです。なぜかというとみんなが教会にいかないようにするためだという。
あるいは逆に物理学者や数学者というような、付き合った人たちというのは、あえて教会を訪れる、あるいは民族文化的なもののリバイバルを考える、これは必ずしも右派的、ナショナリスト的な人だけではないということが私にはたいへん興味深かったわけです。

そこで一つの重要な柱だったのが、ゴルバチョフにとっては政治改革であり、そしてグラスノスチを進めるにあたって重要な柱になったのが市民社会の解禁、これは非公式集団ということですが、その最大の標的は宗教をどうやって公認するかでした。
この頃からロシア国家あるいはソ連国家の隠れた部分であった正教会もまた、政治的な民主化の波にもまれ始めたわけです。
隠れた部分といったのは理由がないわけではなく、ロシア正教会というのはスターリンと和解した1943年以降、エスタブリッシュメントの一部であった。
あるいはノメンクラトゥーラの中に総主教を頂点とする正教会というものがきちんと位置付けられていたと理解しております。

1988年、政教和解がこの段階で初めて成立し、正教千年祭をきっかけとして、ロシア革命後初めてバイブルがロシア語で公式に刷られるようになった。
それまでは逆にいうと、バイブルをソ連が印刷をしたことはなかったわけですが、そういうかたちで出てきました。
さらにそれを保障するために、ゴルバチョフは1990年「良心の自由と宗教団体に関する法律」というものを認めた。
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