- 1投稿者:ヽ(´ー`)ノ 投稿日:2022/03/17(木)10:52:56
- 平成
1989年1月8日 – 2019年4月30日
- 34投稿者:ヽ(´ー`)ノ 投稿日:2022/03/29(火)11:21:32
- ここまで観察してくると、宮澤政権以降の歴代内閣の「経済政策」が、なぜ「平成不況」克服への効果に乏しいと感じられたのかという理由が明白になる。
すなわち、宮澤内閣が1992年度に策定・実施した「緊急経済対策」以降の各年度の「経済対策」は、いずれも大規模な施策であるかのごとく装ってはいたものの、結局のところは、トータルとしての「自生的な有効需要支出額」を所定の経済成長率の達成に必要な倍率で増加させようとする明確な目的意識を持って策定されたものではなかったのである。
つまり、それは、「乗数効果が微弱化して、有効需要の原理が作動しなくなったからだ」と思い込んでいる「通念」とはまったく違って、ただ単に、各年度の「経済対策」を、「真水ベース」では意外に小規模なものとしてしか実施してこなかったということ、すなわち、最も根本的かつ決定的な独立変数であるトータルとしての「自生的有効需要支出」の年々額を、横ばいに近い停滞状態から「増やすことを怠ってきた」ということにすぎなかったのである。
「有効需要の原理」に目をふさぎ、それを認識することを拒み続けてきた、そのような不条理な政策スタンスがわが国経済にもたらした惨害は、想像を絶して甚大であった。
この大惨害に対して、「構造改革」政策は、まったくの無力かつ不毛であった。