- 1投稿者:ヽ(´ー`)ノ 投稿日:2022/03/17(木)10:52:56
- 平成
1989年1月8日 – 2019年4月30日
- 35投稿者:ヽ(´ー`)ノ 投稿日:2022/03/29(火)11:22:42
- 「反ケインズ主義的」な「構造改革」政策がもたらしてきたところの、トータルとしての「自生的な有効需要支出」の実質額が横ばい状況を脱しておらず、それに照応して実質GDPもほとんど伸び得ないでいるといったゼロサム・ゲーム的な状況下での競争経済では、勝ち組は負け組を食いころすことによってのみ勝ちうるわけであるから、弱肉強食の修羅場が現出し、貧富の格差がはなはだしいものとなってしまっている。
これを是正するには、ケインズ的政策によって、プレーヤーたちがみな利得しうるような、「右肩上がり」のポジティブ・サム・ゲームの経済にしなければならないわけである。要するに、わが国の基本的経済戦略として、ケインズ的なマクロ有効需要政策が、ぜひとも必要なのである。
それを放棄・封止して、新自由主義的・新古典派経済学的な「反ケインズ主義」のミクロ手法による供給サイド型「構造改革」政策を選択してきたことが、根本的な誤りであったのである。
- 36投稿者:ヽ(´ー`)ノ 投稿日:2022/03/30(水)04:48:47
- 重要なことであるので述べておくことにするが、実は20世紀の半ばごろより近年まで、財政政策のための財源は租税や国債ではなく、「国(政府)の貨幣発行特権」(seigniorage セイニャーリッジ権限)に依拠すべきだとする政策提言が、ラーナー(A.P. Lerner)、ディラード(D. Dillard)、ブキャナン(J.M. Buchanan)、スティグリッツ(J.E. Stiglitz)といったノーベル賞級の巨匠経済学者たちから、繰り返しなされてきているのである。
通貨に関する基本法である「通貨の単位および貨幣の発行等に関する法律」(昭和62年、法律42号)では、「貨幣」の製造および発行の権能が政府に属するという「政府の貨幣発行特権」がはっきりと明記されており、その発行には何らの上限も設けられておらず、政府はそれを何千兆円でも発行することができ、担保も不要とされているのである。
しかも、発行された「政府貨幣」の額は、政府の負債として計上されることもない。その発行額は政府の正真正銘の財政収入となる。
(丹羽春喜「政府貨幣特権を発動せよ。」2009年刊 p.72)
- 37投稿者:ヽ(´ー`)ノ 投稿日:2022/03/30(水)04:49:37
- わが国の現行の法令体系にごく素直に則って、この「打ち出の小槌」財源を活用しようと思うならば、政府が、必要な所定額の「政府紙幣」をも含む「政府貨幣」を、造幣局または国立印刷局で鋳造あるいは印刷して製造し、それを前記の「通貨の単位および貨幣の発行等に関する法律」の第4条2項および3項の規定どおりに日銀に交付し、それに相当する金額を、日銀が政府の口座に電子信号で振り込むことにすればよいわけである。
過去四半世紀、わが国は超膨大な潜在実質GDPを空しく失ってしまったのである。この苦い経験を反省するならば、どうしても、総需要政策の不十分や、上方あるいは下方への暴走を防止するための「歯止め」が要る。
この「歯止め」は、デフレ・ギャップやインフレ・ギャップを常にモニターしつつ(これまでわが政府はそれを怠ってきた)、これに立脚して年々の総需要管理政策を合理的に国会で審議・決定するという制度、すなわち、いわゆる「国民経済予算」の制度を確立することによって行われるべきである。
「市場経済」にこの「国民経済予算」の方式を結び合わせた制度こそが、人智のおよぶかぎり、最善の経済システムなのである。